はじめに――4歳から、そろばんを始めることにしました

我が家には2人の子どもがいます。このサイトで最初の主役になる上の子は、そろばんを始めた当時4歳(年中)。下の子はまだ1歳です。まずは、上の子がそろばんを始めるまでの経緯から書いていきます。

そろばんを始めるなんて、少し前の私なら考えてもいませんでした。そもそものきっかけは、昨年亡くなった父の遺品でした。遺品を整理していたら、まだ会ったこともない孫のためにと、父が用意していたそろばんが出てきました。「こんなものを残してくれていたんだ」と思うと、なんだか不思議な気持ちになりました。

考えてみれば、私の母も、姉も、妻もそろばん経験者です。そろばん未経験なのは、家族の中で私だけでした。そう言えば、従姉妹の子どももそろばんに通っていたな、と後から思い出し、「これは何かの縁なのかもしれない」と思うようになりました。

最初は、それくらいの気持ちでした。

ところが、そろばんについて調べていくと、思っていた以上にいろいろなメリットがあることを知りました。計算が速くなるだけではありません。頭の中にそろばんをイメージして計算する「珠算式暗算」という力や、ワーキングメモリとの関係など、興味深い話がたくさん出てきました。

「そろばんって、単に計算が速くなるための習い事ではないのかもしれない」

そう思ったことが、そろばんを真剣に考えるきっかけになりました。

妻に相談しました

ここまで書いてきた通り、そろばんは、最初から家族みんなで盛り上がって決めたわけではありません。父の遺品をきっかけに調べ始め、そろばんを始めさせたいと思うようになったのは、私一人の考えでした。

水泳は、年中になってすぐに始めました。そもそも妻が提案してくれたものでした。私もいいなと思っていたので、話はスムーズに決まりました。そろばんは、そもそもの出発点が私一人の思いつきだった分、余計に、妻と話し合ってから進めたいと思っていました。

実際に話してみると、特に強く反対されることはありませんでした。ただ、「小学生に入ってから習わせる感じ?」と聞かれたので、当時の自分もまだ漠然とそれくらいのイメージで考えていたこともあり、「そうだね」と答えました。この時点では、まさかその後、年中の夏から前倒しで始めることになるとは、私自身もまだ思っていませんでした。

我が家は、これまで家庭学習をほとんどしてきませんでした

息子が通っている保育園は、幼児教育・学習に力を入れている園です。狙って選んだわけではなく、近所の保育園に落ちて、たまたま通いやすかったのがそこでした。

その保育園では、日々の保育の中でひらがな、カタカナ、算数、さらには英語まで教えてくれて、至れり尽くせりです。そのため、これまで家庭ではほとんど何もしてきませんでした。子どもたちが本好きなので、絵本の読み聞かせなどはしていますが、「毎日◯◯を勉強する」というような家庭学習はしていません。

一方で、周りにはとても教育熱心なご家庭も多く、保育園児の段階から中学受験を見据えているご家庭もあります。体操、水泳、公文、英会話など、複数の習い事をしている子も少なくありません。

その中で見ると、うちの子はまだのんびりペースだと感じます。足し算や引き算、ひらがなの読み書きも、周りの子どもたちに比べると遅れているように感じることがあります。

ただ、それで焦っているわけではありません。自分が幼かった頃と比べれば、十分以上にできていると思っていますし、今でも基本的には「そのうちできるようになるだろう」くらいに考えています。

だから、「周りの子ができるから、うちの子にも急いで勉強させなければ」と思って、そろばんを始めたわけではありません。むしろ、これから先のことを考えたときに、別の理由がありました。

小学生になったら、自分で勉強できるようになってほしい

小学生になれば、家庭学習も必要になってきます。学校の宿題だけでなく、いずれは習ったことを復習したり、自分で問題集に取り組んだりすることも必要になるでしょう。

ただ、私は仕事をしています。小学生になった子どもの隣に毎日座って、勉強を教えてあげる時間を十分に取れるかというと、かなり難しいと思っています。

だから、できれば子ども自身に「自分で勉強する」という習慣を身につけてほしい。親が横についていないと何もできないのではなく、自分で問題を見て、自分で考えて、自分で進めていける。もちろん小学生になれば親が見ることも必要になるでしょうが、最初から最後まで親がつきっきりになるのではなく、少しずつ「自学できる子」になってほしいと思っています。

教室に行って、先生の話を聞き、自分で問題を解き、間違えたら直す。それを毎週決まった時間に繰り返す。計算力だけでなく、「自分で学ぶ」という習慣も身につけられるかもしれない。そう考えたことも、そろばんを検討する理由の一つになりました。

集中力が続かない息子に、そろばんは合っているかもしれない

もう一つ、そろばんを考えるようになった理由があります。

息子は、どちらかというと飽きやすい方だと思います。集中力が長く続かない。椅子にじっと座っているのが苦手。ちょっとしたことで気が散る。そういうところがあります。家庭での普段の様子だけでなく、保育園の参観で他の子どもたちと並んでいる姿を見ても、同じ印象を受けます。

ただ机に座って計算問題を解くような勉強よりも、指を動かしながら、そろばんを実際に触って計算する方が、もしかしたら本人には合っているのではないかと思いました。数字を見て、指を動かして、珠を動かして、頭の中でもイメージする。文字だけを追いかけて計算するよりも、身体を使って覚える部分があります。

そろばんに詳しいわけではない私ですが、この「触って、動かして、イメージして考える」という部分に、単純に魅力を感じました。

そろばんを始めるなら、何歳がいいのか

ここが一番悩んだところです。

最初は、小学生になってから週2回くらいを考えていました。いしど式そろばん教室のホームページには、週1回(月4回コース)よりも週2回(月8回コース)通った方が、進みの差は3倍以上になり、継続率も高いというデータが紹介されていました。週2回の優位性は感じつつ、これは小学生くらいにならないと厳しいだろうと思っていました。年長なら、週2で通える子もいるだろう。でも、4歳の年中では、さすがにまだ早いのではないか。そんな感覚でした。

ところが、そろばんについて調べたり、そろばんの情報発信をされているこう先生やよしろう先生の投稿を見たりするうちに、もう少し早い時期からでも始められるのではないかと思うようになりました。

あわせて、行動遺伝学という分野についても調べるようになりました。幼児期は、大人になってからに比べて、環境や訓練による影響が相対的に大きい時期だとされているようです。だとすれば、早く始めた方がいいのではないか。詳しくはまた別記事で書くつもりですが、この考え方に触れたことが、開始時期を早める後押しの一つになりました。

入塾前に、まずは「5になる足し算」から

正直に言うと、息子は数字が特別好きというわけでも、得意というわけでもありませんでした。同じ保育園に、公文に通っているお友だちがいて、その子は2歳の頃に、100以上の数を数え上げているのを見かけました。それに比べると、うちの子はかなり出遅れている方だったと思います(お友だちが凄いだけな気もしますが)。保育園から持ち帰ってくる足し算・引き算のプリントを見ても、4歳になってからも、数字の答えの書き方をなぞって練習しているようなレベルで、どこまで意味を理解して解いているのかは、かなり怪しいところがありました。

だからこそ、そろばん教室に入塾させる前に、まずは家庭で「3+2=5」のような、合計が5になる足し算や、10になる足し算を少しずつやってみることにしました。いきなり教室に放り込むのではなく、数字に親しむところから、時間をかけて始めようと考えたのです。

この段階で意識していたのは、級や段位を早く取らせることよりも、少しでも長く続けてもらうことでした。

ただ、普通に「勉強しよう」と言っても、なかなか続きません。そこで我が家では、トイレに入って逃げられないタイミングを狙って(笑)、「パパ・クイズ!」と足し算を出していました。

「3+2は?」 「4+1は?」

そういった地味な問題ばかりですが、少しでも楽しんでもらえるように、できるだけハイテンションに、クイズ遊びのような雰囲気で問題を出していきました。そして正解するたびに「すごい! 大天才!」と、毎回大げさなくらい褒めまくりました。単純なもので、本人もまんざらでもない様子で、気分良く答えてくれていました。

そんな具合です。今振り返ると、かなり地味な準備でしたが、こういったことを地道に続けていって、2ヶ月ぐらいで少しずつ数字に慣れていきました。

一番怖かったのは、早く始めすぎて「そろばん嫌い」になること

ここまで来ても、まだ迷っていました。早く始めた方がいいかもしれない。でも、早すぎて嫌いになってしまったら意味がありません。

そろばんは、できれば5年、できることなら7年以上続けてほしいと思っていました。本人が「もっと続けたい」と思うなら、その先も続けてもらえればいい。だからこそ、開始時期はかなり慎重に考えました。

年少では、まだ教室に通うこと自体が難しい子もいる。年中は微妙なところ。年長なら、通える子がかなり増えるのではないか。本来なら、小学生になってから週2回というのが、我が家にとっては一番無理のないタイミングだったと思います。

それでも、「試してみないことには分からない」と考えました。もしダメなら、すぐにやめればいい。まだ4歳です。合わなければ別のことを試せばいい。逆に、意外とできるかもしれない。そう思って、夏の短期レッスンを受けることにしました。

「そろばん、行ってみたい」と言わせた パパの誘導作戦!

そろばんを始めることを決める前に、いくつかの条件がそろってきました。簡単な足し算ができるようになってきたこと。一人でトイレに行けるようになったこと。水泳にも順調に通えていること。

そして、本人に聞いてみると、「そろばん、行ってみたい」と言いました。

もちろん、これにはパパの長期的な下準備があります(笑)。保育園の帰り道にそろばん教室の前を通るので、「ここがそろばん塾だよ」と教えました。明かりがついていれば「今日はやってるね」、消えていれば「今日はお休みだね」。教室の前にあるキャラクターを見つけて、「あれって何の動物だろう?」と話す。半年ほど、そんなことを繰り返しました。

そろばんをやらせようと説得するのではなく、まずは「そろばん」というものを身近な存在にしていく。かなりの長期戦でした。だから、「行ってみたい」という言葉が出てきたときには、「よし、ここまで来たか」という気持ちでした。

こうした長期的な誘導作戦を、「親のエゴだ」と言われてしまえば、その通りだと思います。ただ、まだ自我がはっきり芽生えていない年齢の子どもに対して、親が何かを与えようとする以上、多かれ少なかれ親のエゴにならざるを得ない部分は、どうしても出てきてしまうと思っています。それでも、闇雲に誘導したわけではなく、そろばんという選択肢に、それだけの価値があると信じられたからこそ、時間をかけてこの下準備をしました。そこには、自分なりの信念がありました。

最初は週1回のつもりでした

最初から週2回にするつもりはありませんでした。週2回の方が上達しやすいことは分かっていましたが、まだ4歳です。まずは週1回、楽しく通えればいい。小学生になったら週2回にする。それくらいの計画でした。

ところが、夏の短期レッスンを実際に受けてみると、思っていたよりも続けられそうでした。先生からも週2回を勧められました。

ここで、かなり迷いました。「本当に4歳で週2回も大丈夫なのか」「今は楽しくても、これで嫌いになったらどうしよう」。それでも、短期レッスンでの様子を見て、「今ならできるかもしれない」と判断しました。

こうして我が家は、当初の予定を前倒しして、4歳から週2回、そろばん教室に通うことになりました。

親が決めつけない

早く始めることにした理由は、もう一つあります。もし4歳で始めて、合わなかったとしても、まだ方向転換できるからです。

「そろばんが向いていない」と分かったら、別のことを試せばいい。逆に、本人がそろばんを好きになってくれたら、そのまま長く続ければいい。親が勝手に「この子は計算が苦手」「この子はこういうことに向いていない」と決めつけるのは、できるだけ避けたいと思っています。

親が思っているより、子どもには能力があるかもしれない。やってみたら、意外とできるかもしれない。その可能性を、親が最初から潰してしまいたくありませんでした。もちろん無理をさせるつもりもありません。本人が嫌がるようになったら、そのときは立ち止まる。別の方法に変えることも考える。親の思い通りにはならないことを前提に、いろいろな選択肢を残しておきたいと思っています。

そろばん未経験のパパも一緒に始めます

ちなみに私は、算数が得意ではありません。そして、そろばんは全く分かりません。

そんな私が、今は子どもの隣に座って、一緒にそろばんを教えてもらっています。これが、思っていた以上に面白い。子どもに教えるために親が勉強するのではなく、親も子どもと一緒に学ぶ。これは、自分にとっても良い経験になっています。

小学校に入って、子どもが一人で教室に通うようになったとしても、私は独学でそろばんを続けてみるつもりです。もしかしたら、子どもよりパパの方がハマるかもしれません。

このサイトで、親子の成長を記録します

このサイトでは、我が家のそろばん生活をできるだけ正直に記録していきます。

4歳から週2回で始めて、どのくらいのペースで上達していくのか。珠算検定、暗算検定にはいつ合格できるのか。計算力は本当に伸びるのか。集中力や学習習慣に変化はあるのか。そして、そろばんを嫌いにならずに続けられるのか。

途中で「もう嫌だ」と言い出すかもしれません。親の期待どおりには進まないかもしれません。そろばんよりも向いていることが見つかるかもしれません。それでも、そのときはそのとき。成功したことだけではなく、迷ったこと、失敗したこと、途中で考えを変えたことも含めて記録していきたいと思います。

目標は、できれば小学校卒業まで。本人が「もっと続けたい」と言うなら、その先も。そして、何より大切にしたいのは、そろばんを嫌いにならないことです。

4歳から始めたそろばんが、7年後、10年後にどうなっているのか。まだ何も分かりません(数ヶ月で終了してしまう可能性すらあります)。だからこそ、親子で一緒に試してみます。

4歳から始めるそろばん。週2回の教室通いで、親子が歩む珠算・暗算検定までの成長記録。

これが、「オヤソロ」の始まりです。

次回は、「4歳の習い事、そろばんと公文どっち? 我が家がそろばんを選んだ理由」について書きます。


参考文献・参考資料

ランキングに参加しています。クリックで応援していただけると励みになります。